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認可移行後の保育園での質の低下問題について

2015.6.4
2015年6月3日日経新聞の記事に、都内の認証園が今年後4月に認可へ移行後、トラブルが続出し、文京区などが独自に改善指導を行なっているという内容の記事が掲載されていました。
この問題は、今に始まった問題はありませんが、改めて認可へ移行する園が増えそれに比例してトラブルも増加している現実を知らされました。

問題の背景は何で、どいうった改善が可能なのでしょうか。

なぜ認可へ移行するのか

認可移行の目的は、それが全てではないはずですが、助成金によるものが大きいはずです。
認可へ移行し、定めれられた基準を満たせば、助成金の額は大きくなり経営に必要となる運営費の90%程度を助成金で賄うことが出来ます。

窓口も自治体になり、経営の仕方が大きく変わります。


認可移行で起きる問題

預け側の問題としては

自治体が窓口になることで、住んでいる地域によっては、認可移行後に今まで通っていた園へ子供を預けられなくなる可能性があります。
今までは世田谷区に住みながら目黒区の保育園へ預けていたのに、認可園として管理が自治体に変わることで目黒区民が優先され、結果として預け先が無くなってしまう、またそのアナウンスもギリギリで新たに預け先を見つけるというこが難しい問題が起きています。

ルールや段取りが非常に曖昧で、混乱が生じているようにも見えます。

運営側の問題として

認可基準で定員に合わせて保育士の配置人数が決まっていますが、保育士不足の昨今、それを満たすのが非常に難しく、ギリギリの人数もしくは、基準を満たせない、という現実があり、
結果として、保育士資格を持ってる人をとにかく採用せざるを得ない状況になり、現場を上手く回すために採用ではなく、それを無視した配置を満たすための採用になってしまっているケースが少なくありません。


これが何をもたらすかというと、簡単な話現場が回りません。園の質の低下です。4月はどの園でも毎年多少の混乱は発生しますが、その度合が大きくなります。

せっかく認可に移行したにも関わらず、園へのクレームが増え、スタッフは疲弊し退職者が続出、経験やスキルがあり本来退職しなくて済む保育士までもがストレスに耐え切れず退職する、といった負の連鎖が起きます。


解決手段はあるのか

それでも待機児が多い現状は変わりません。国は園や定員を増やそうとします。
ですがトラブルが増えたら自治体が指導、といった行政の後追いの対策では、もちろん無いよりはマシですが根本的な問題解決には繋がりません。


保育士が不足している現状は変わらず、激的に改善される見込みもありません。

認可園でも認証園でも、もはやお金を積んでも良い保育士は採用出来ません。

経験のない保育士、能力のない保育士、採用しても現場の仕事をこなすのは難しいだろうと思われる保育士を採用することで基準を満たす動きは中々止めることは出来ないでしょう。

であれば、この保育園の質の低下の問題はどのように解決していけばいいのでしょうか。

誰も分からないし、誰も積極的に動けないです。


我々人材紹介会社は保育園の質を向上させるためにどうするべきなのでしょうか。

それでも保育士を必要とする保育園へ紹介をし続けるのか。

それとも、すでに質を落としてしまった保育園へは紹介するべきではないのか。

質を改善するために、人材不足で苦しんでいる保育園にこそ紹介するべきなのか。

お金を沢山くれる園に紹介するべきなのでしょうか。


正解は解りません。


きっと今後さらに保育園の格差が激しくなっていきます。

上手く運営出来ている保育園とギリギリの経営の保育園

保育士を比較的集めやすい保育園と全く集まらず基準を満たせない保育園

人材紹介会社と上手く付き合う保育園とそうでない保育園


今の場当たり的な対策の流れを変えなければ、格差が激しくなり最終的には潰れる保育園が続出するのではないでしょうか。


できなければ、最終的に困るのは児童を預けることの出来ない親御さんです。



今思いつける手段としては、
外(関東外)から現場で働く保育士、経験やスキルを補う指導者を連れてくるぐらいしか思い浮かびません。

質向上のために行う研修等は、すでに園内でも取り組んでいるでしょうし、外部のアドバイスを素直に取り入れるのには抵抗がありそうにも思いますので、あまり機能しないようにも思います。


新たなサービスとしても、先の記事で紹介しているベビーシッターサービスのマッチングのようなものが限界なのでしょうか。


最近は幼稚園教諭の資格は持っているけれど、保育士の資格をもたない、チャイルドマインダーの資格は持っているけれど保育士の資格は持っていない、それでも保育園では働きたい、という需要が増えているように感じます。

特例制度も利用者は増えているとか思いますが、中々実際にトライしていない方々、もしくはトライしても枠が無くすぐに取得出来ない人も多く、激的な改善にはつながっていないように思います。

保育士資格の取得者でなければ、配置基準にカウントされない、というルールを変更し、資格を持たない人たちでどうやって保育園の運営の質を上げていくのかを考えるほうが、案外近道なのかもしれません。